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エイジングが美しい革財布のおすすめ8選とエイジングさせる際のコツ

2023.08.08 【革の豆知識】

ひとつの革財布を長く使い続けることで、新品にはない味わいが生まれます。年を経るごとに深みのある美しさが生まれるのは、革財布ならではの魅力です。
本記事では、エイジングが美しい革財布を紹介します。

革製品の魅力のひとつに、エイジング(経年変化)があります。新品の財布も美しいですが、エイジングで深みややわらかさが生まれた革製品は、新品にはない魅力が宿るものです。

本記事では、とくにエイジングが美しいとされる革と、革財布をエイジングさせる際のポイントを紹介します。

お気に入りのアイテムを長く美しく愛用するために、ぜひ参考にしてみてください。

▼目次

エイジングが美しい革財布

エイジングには、使う人の個性や暮らし、生き方がにじみます。革財布には、財布を自分好みに育てる楽しさもあるといえるでしょう。

ここから、とくにエイジングが美しいレザーを紹介します。

松阪レザー

松阪レザーは、ブランド牛として有名な松阪牛の革です。
松阪牛には、きめこまかく低温で溶ける不飽和脂肪酸が多く含まれているため、使い込むほどに油分がなじみ、エナメルのよう光沢が出てきます。

一般的な牛革に比べて油分が多く、デリケートな松阪レザーは、加工に高度な技術を必要とします。そのため、国内の限られた製革所でしか作り上げられません。

美しさだけでなく、希少性も兼ね備えた革財布を探している人にぴったりです。

アドバンレザー

アドバンレザーは、牛革の表面に顔料を塗る特殊加工(アドバンティック仕上げ)を施した革です。
顔料を重ねてから磨きあげることで、アンティークを思わせる独特の色ムラが現れます。

アドバンレザー独特の霜降りのような風合いと、鮮やかな発色は、遊び心のある革財布を持ちたい人にぴったりです。

使い込むにつれ、革本来のくせが出て、使いはじめたときとは異なる表情が出てきます。

コードバン

コードバンは、美しいツヤを持つことから「革のダイヤモンド」と呼ばれることもある希少な馬革です。
馬のお尻の部分にあるコードバン層をなめした革で、とても丈夫で、牛革の3倍もの耐久性があります。

コードバンの財布がどのようにエイジングするかは、仕上げによって変わります。

オイルや染料で仕上げられたコードバンは、革本来の風合いを味わえるのが魅力です。
しかし、水や汗に弱く、濡れると水ぶくれが出やすいため、濡れないように注意する必要があります。表面がなめらかで、きめがこまかいため、傷も目立ちやすいです。

顔料仕上げのコードバンは、表面を顔料でコーティングして耐久性を高めているため、エイジングによる変化は感じにくいです。

しかし、マット仕上げの財布は、使い込むほどに艶が増し、育てる楽しみがあるでしょう。
傷や水にも強いので、初めてコードバンの財布を持つ人におすすめです。

ミネルバボックス

ミネルバボックスは、イタリアのトスカーナにあるバダラッシカルロ社が製革しているナチュラルカラーのなめし革です。

染色されていない革は、使いはじめはベージュ色ですが、エイジングによって、飴色に変化します。長く使い続けるほどに愛着がわく、エイジングで美しく変化する革の代表格です。

栃木レザー

栃木レザーは、老舗の皮革製造メーカー「栃木レザー株式会社」が製革するなめし革です。昔ながらの工程を守って製革されており、有害な薬品類を使わずに、ミモザの樹皮から抽出した樹脂を使ってなめされています。

タンニンと革の油分によって、左右されるエイジングをより美しいものにするために、職人のこだわりが詰まっている素材です。

丈夫でありながら、しなやかなその風合いは、世界で高い評価を得ています。

プルアップレザー

プルアップレザーは、オイルをたっぷり含ませてなめした革です。革に含まれた油分が移動することで、色合いに変化が生まれます。

含まれる油分が多いため、メンテナンスをせずに使い続けられるのも魅力です。傷ができても、手やクロスで擦るだけで目立たなくなるため、初めて革財布を使う人や傷を気にせずに使い続けたい人におすすめです。

プエブロレザー

プエブロレザーは、バダラッシカルロ社が手掛ける個性的な革です。革の表面を手作業で毛羽立たせることで、使いはじめは和紙のようなゴワゴワとした手触りが楽しめます。

エイジングは表面の質感とツヤに現れやすく、使い込むほどになめらかな手触りと、ウェットなツヤ感が出てくるのが特徴です。

メンテナンスをしなくても美しく使い続けられる革なので、初めて革財布を持つ人やメンテナンスの手間をかけたくない人におすすめです。

ベジタブルタンニンレザー

ベジタブルタンニンレザーは、植物から抽出したタンニンを使ってなめされた革です。革本来の表情や質感が活かされており、動物ごとに異なる風合いが楽しめます。

オイルを多く含ませているため、やわらかく、エイジングしやすいのが特徴です。使い込むほど色合いに深みが出てくるので、育てる楽しみがある革といえます。

革財布を美しくエイジングさせるコツ

ここからは、革財布を美しくエイジングさせるコツを紹介します。少し気を配るだけで、より美しい経年変化が楽しめるので、世界にひとつだけの革財布を持ちたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

手でよく触れる

美しくエイジングさせるには、手でよく触れることが大切です。

エイジングは、革に含まれるタンニンとオイルによって起こります。常に身に着けている革製品のエイジングが速く進むのは、体から分泌された皮脂が、革によく馴染むためです。常に身に着けるのは難しくても、気になったタイミングでよく触れるようにするだけで、手の油分が革にしみこみ、エイジングを速められます。

ただし、汚れた手で革財布に触れることは避けてください。汚れも一緒に革にうつってしまうため、かえって汚くなってしまうことがあります。

定期的にケアする

革財布を美しくエイジングさせるには、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。ただし、やりすぎには注意しましょう。

革財布のように、頻繁に触れる小物であれば、1シーズンに1回メンテナンスをすれば十分です。毎日ブラッシングをしたり、毎日のようにクリームを塗りこんだりすると、かえって革が傷みやすくなります。

メンテナンスオイルやクリームは、柔らかい布で、少しずつ塗り広げるようにしましょう。

汚れやシミのケアは、プロに依頼するのが賢明です。自己流の方法で行うと、かえって汚れが広がったり、シミが目立ってしまったりするので、まずは、メーカーまたは革製品のメンテナンスを手掛けるクリーニング店に相談することをおすすめします。

防水スプレーの使用を抑える

シミを作りたくないからと、防水スプレーを使い過ぎると、メンテナンスの際にオイルやクリームがなじみにくくなります。防水スプレーの使用は、必要最小限に抑えましょう。防水スプレーを使い過ぎると、エイジングも進みにくくなってしまいます。

また、防水スプレーは革との相性があるため、相性の悪いものを使用するとシミや色落ちの原因になります。

スプレーを使うなら、雨の多い時期に限るなど工夫し、小雨程度の防水対策は、メンテナンスオイルを使うことをおすすめします。

革製品は、正しくお手入れすることで、長持ちする製品です。
正しいお手入れ方法や必要な道具をこちらで紹介していますので、あわせてご覧ください。

まとめ

革財布には、エイジングというほかの素材にはない魅力があります。使い込むほどに手になじみ、風合いや色が変化するので、愛着もわくでしょう。

長く使えて、より美しくエイジングする革財布を探しているなら、素材に注目することが大切です。美しくエイジングする革には、コードバンやアドバンレザ―などがあるので、自分好みのものを探してみましょう。

革財布を使う際は、メンテナンスにも気配りが必要です。できるだけ手で触れるようにして、革に油分をなじませるほか、定期的にメンテナンスを行って、よい状態をキープしましょう。

エイジングされた革財布には、持ち主の個性や暮らし、生き方が現れます。毎日使って革財布を育て、世界にふたつとないあなただけの財布を手に入れてください。

 「革製品のお手入れに必要な道具とお手入れ方法・汚れの落とし方」の記事はこちら。

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