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クロコダイル革とは?特徴から原産地や見分け方まで解説

2023.01.13 【革の豆知識】

独特な模様やツヤを持つ「クロコダイル革」は「ワニ革」ともいわれ、バッグや財布、ベルトなどの表面に使われる皮革素材です。

身につけるだけで高級感が演出できるため、フォーマルなシーンに使用する機会も多いでしょう。しかし、実はクロコダイル革にはいくつかの種類があり、特徴も異なることをご存知でしょうか。

今回は、クロコダイル革の特徴や原産地、手入れ方法、種類などを詳しく解説します。クロコダイル革の製品を持っていても、どのような種類に当たるのかわからない、知っておきたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

-クロコダイル革とは-

クロコダイル革は、野性味ある模様や美しい光沢が特徴の「革の王様」とも呼ばれる爬虫類皮革(エキゾチックレザー)です。

持つだけで高級感を演出できるアイテムですが、あえてカジュアルに普段使いするのもおすすめです。

クロコダイル革はほとんどが輸入品となっており、ワシントン条約によって輸入規制が敷かれているので、正規の手続きを踏まなければ輸入できません。

ここでは、主な原産地や手入れ方法について解説します。

原産地

原産地はクロコダイルの種類によって異なりますが、主に東南アジアやアフリカが原産地です。

ただし、現在ほとんどのクロコダイル革は、企業による養殖で生産されています。

それでは、4つの種類に分けて原産地を紹介しましょう。 最も価値の高いスモールクロコダイル(イリエワニ)は、入江や河川で海水と淡水が混じる箇所に生息しており、パプアニューギニア、オーストラリア、インドネシア、マレーシアなどが主な原産地です。

ラージクロコ(ニューギニアワニ)は、パブアニューギニアやインドネシアなどが原産地で、淡水の沼や河川に生息しています。

ナイルクロコは、ジンバブエをはじめとするアフリカ諸国が原産地です。ただし現在では、ほとんどが大規模ファームでの養殖生産となっています。

シャムクロコは、タイやミャンマー、マレーシアが原産地ですが、現在取り引きされているものはタイやベトナムなどでの養殖が主流です。

手入れの仕方

ふだんの手入れの方法としては、基本的に柔らかい布でのから拭きになります。

クロコダイル革はデリケートで、ブラシでも傷つくおそれがあるため、ホコリを落とすときも必ず、から拭きを行いましょう。

もし濡れてしまった場合は、乾いた柔らかい布で水分を拭き取ります。クロコダイル革は水気や湿気に弱い素材なので、気がついたら速やかに行うことが重要です。

その際、ドライヤーで乾燥させると、熱で革が変質する可能性があります。くれぐれも使用は控えましょう。

また、革の仕上げの品質によっては、色落ちや色移りが生じることもあるため、雨や汗など湿った状態での強い摩擦は厳禁です。

使い始めの数回は様子を見て、色落ちの心配がある場合は、シーンやファッションを選んで使うことをおすすめします。

-クロコダイル革の種類-

前述しましたが、現在製品として使用されているクロコダイル革の種類は4つです。
それぞれに特徴があるので、価値を見極めるうえでも、しっかり理解しておくとよいでしょう。

スモールクロコダイル

「スモールクロコダイル」は別名「イリエワニ」、学術名の「ポロサス」と呼ばれることも多い、クロコダイル革の代表格・最高級品です。

大変希少なクロコダイルで、腹部の四角形の鱗(竹斑)と両脇の丸い鱗(丸斑)が美しく整っている点が特徴となっています。

また、鱗の配列がほかの種類とは異なり、横列の数は31~35列です。現在、生産されているものの、ほぼすべてが養殖となっており、輸出先としてはヨーロッパや日本、シンガポールなどがあります。

有名メゾンの高級ハンドバッグや革小物、ベルトなどに多く使用されています。

ラージクロコダイル

「ラージクロコダイル」は、ニューギニア島が原産地のため、別名「ニューギニアワニ」ともいわれ「ノヴァギニア」という学名も普及しています。

スモールクロコダイルより鱗のサイズが大きく、正方形に近い形で、横の配列も24~32列が基準です。

日本で昔からよく使用されているクロコダイル革で、ワニ革といえばこの種類を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ラージクロコダイルは、養殖での生産は行われておらず、ニューギニアの川や沼の淡水に生息する野生のものが供給されています。

そのため、野生での捕獲が認められており、生息数が減少しないよう調整されたうえで、日本やシンガポールに輸出されることが多いです。

バッグや財布などでは、その模様のワイルドさで大きな存在感を醸し出すことができるでしょう。

ナイルクロコダイル

「ナイルクロコダイル」は、アフリカ諸国のナイル川、淡水沼が原産地ですが、近年ではジンバブエや南アフリカにおける大規模ファームでの養殖が中心となっています。

鱗はスモールクロコダイルとラージクロコダイルの間くらいの大きさで、均整の取れた腹部の長方形と、横腹の丸みのある長方形の模様が特徴の一つです。

また、ほかの種類に比べて横腹部分が狭いところも、わかりやすい特徴でしょう。ナイルクロコダイルは、高級皮革として世界中で多く取り引きされていることでも有名で、ヨーロッパを中心に高い需要を誇ります。

供給が安定していて数量を確保しやすいため、表面に起毛やプリントなどの特殊加工を施したアイテムも多いです。

シャムクロコダイル

「シャムクロコダイル」は、日本やシンガポールなどへの輸出が多いポピュラーなクロコダイル革ですが、近年ではヨーロッパへの輸出も増加しています。

タイやミャンマーが原産ですが、絶滅危惧種に指定されているため、現在では加工用の皮革として輸出されているものすべてが養殖されており、タイやベトナムなどのファームで生産されています。

鱗はスモールクロコダイルよりもやや大きく、腹部と両脇の大きさのコントラストがはっきりしているところが特徴で、横列の数は約30〜34列です。

胴の長さが特徴的で、大きなサイズの製品やパーツに使用する際に大変重宝されています。

-クロコダイル革を使用している製品-

クロコダイル革が使用されている主な製品として、ハンドバッグや長財布が有名です。どちらも黒や茶色が定番ですが、なかには青や赤、緑などの鮮やかなカラーリングが施されたアイテムもあります。

近年では、ワイルドさや高級感の演出だけでなく、美しい模様を活かした手にしやすいものも増えてきている印象です。

ファッション小物としてもよく使われており、多くの場合バッグや財布に比べてリーズナブルでしょう。

たとえば、光り輝く黒いクロコダイル革が使われている、男性向けベルトや時計ベルトを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

また、ふだんから持ち歩ける小物としては、コインケースや携帯用靴べらもおすすめです。

普段使いをすることで革がなじんでエイジングを楽しむことができるのはもちろん、気軽にラグジュアリーさを感じることもできます。

-まとめ-

独特な模様と高級感あふれるツヤが特徴のクロコダイル革は、バッグや財布をはじめ、さまざまな製品の表面に使われる素材です。

ひとくちに「ワニ革」と言ってもクロコダイル革と呼べるのは、今回ご紹介した4種類のみで、市場価値の高さや所有者が得られる高級感と重厚感から、世界中で人気がある『スモールクロコダイル』や日本でもなじみ深い『ラージクロコダイル』などご紹介しましたが、それぞれの特徴や種類について知っておくことで、自分に合ったチョイスができるでしょう。

また繰り返しになりますが、クロコダイル革は水分や湿気に弱く、ブラシでも傷がついてしまうほどデリケートです。そのため、ふだんのお手入れは乾いたやわらかい布で拭くことを忘れないようにしましょう。

今回の記事をきっかけに、クロコダイル革を使用した商品に興味を持ってもらえたら幸いです。

GREDDER クロコダイルの商品一覧はこちらから。

GREDEER クロコダイル 長財布 ¥165,000
GREDEER クロコダイル 二折財布 ¥132,000
GREDEER クロコダイル馬蹄型小銭入れ ¥49,500

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