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革財布の経年変化が楽しめる美しいおすすめの革を紹介

2023.01.20 【革の豆知識】

革財布は、使い込んでいくうちにツヤが出たり、独特の色合いに変化したりする「経年変化(エイジング)」が起こるアイテムです。

経年変化するとどうなるのか気になる方や、経年変化を楽しみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

ただし、革財布は使われている革によって異なる経年変化が起こります。それぞれの革の特徴を把握しておけば、自分が望む経年変化をする革財布を適切に選ぶことが可能です。

今回は、革財布の経年変化が楽しめる革3種類と、経年変化すると美しい革7種類を解説します。希望の経年変化を楽しめる革財布を探しているなら、ぜひ参考にしてみてください。

-革財布の経年変化が楽しめる革-

松阪レザーの使用前・使用後(写真左が使用前・写真右が使用後)

革は、環境や使い方次第でさまざまな経年変化が起こります。長い期間をかけて革財布の経年変化を楽しむ場合、耐久性の高い革を選ぶのがおすすめです。

ここでは、革財布の経年変化が存分に楽しめる革を紹介します。

牛革

牛革は革財布に最も使われている革で、耐久性の高さと加工のしやすさが特徴です。

牛の年齢・性別によって「カーフ」「キップ」「ステアハイド」「カウハイド」「ハラコ」といった呼び方に変化し、とくにカーフやハラコの希少価値が高いとされています。

基本的に明るい色をしており、日焼けや手指の脂などで顕著な色変わりが起こりやすいため、経年変化が存分に楽しめるでしょう。

また、繊維が均一で整っていることから、一か所だけ色が薄くなったり、形が崩れたりするようなこともありません。

表面がフラットになっていてツヤが生まれやすく、使い続けるうちに圧縮されてスリムな形になっていくところも、牛革の大きな魅力といえます。

馬革

馬は牛より運動量が多く、脂肪が少ない動物です。そのため、馬革は牛革に比べると薄くて軽い点が特徴になっています。

馬革には2種類があり、馬革全体のことを「ホースレザー」、お尻の部分の革を「コードバン」といい、それぞれ硬さや強度が異なります。

ホースレザーは、しなやかで手になじみやすく、上品さを演出することが可能です。とくに、植物性のなめし剤でなめされた「ホースヌメ」は、使っているうちに上質な経年変化が楽しめます。

また「コードバン」は、硬くてハリがあり、美しい光沢も楽しめる希少な革素材です。

繊維密度が牛革のおよそ3~5倍で非常に高い強度を誇るため、経年変化を長い期間で楽しめるでしょう。

鹿革

鹿革は革の中でも比較的油分が多く、水に強いところが大きな特徴です。

革財布は長く使っているうちにひび割れやカビが発生しがちですが、鹿革はその心配がありません。

牛革同様、繊維が均一なため、優れた耐久性で経年変化を存分に楽しめるでしょう。

-革財布の経年変化が美しい革-

手にする頻度が高い革財布は、使い込むうちに色や光沢、ツヤが増して美しく変化するのが魅力です。

ここでは、美しい経年変化を見ることができる革を種類別に紹介します。

コードバン

GREDEERの革小物で使用しているコードバン原皮

馬のお尻部分の革である「コードバン」は、希少性が高く「革のダイヤモンド」と呼ばれていることでも有名な高級皮革です。

使えば使うほどツヤが増して独特の質感が生み出され、うっとりするほどの美しい光沢が楽しめます。

エイジングがすすむと色合いも濃くなるため、高級感や重厚感がさらに増し、コードバンならではの味わい深さを感じることができるでしょう。

たとえば、ナチュラルカラーの場合、次第にツヤのある薄茶色に近づき、黒に近いグリーンの場合では、色の変化はそれほど見られませんが鏡のような光沢が表れます。

コードバンのことをもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考になさってください。

バケッタレザー

「バケッタレザー」は、イタリアの伝統的な独自製法である「バケッタ製法」で作られている高級革です。

バケッタ製法の特徴として、植物性タンニンでなめされている点と、革の芯まで牛脂や魚脂などを染み込ませる点があります。

そのため、エイジングがすすむと色味と風合いが深まり、美しい光沢も出やすくなるのです。 また、ほかの革に比べて、経年変化のスピードが早いといわれています。バケッタレザーにはさまざまな種類があり、製作会社によってシボや質感などに多少の違いを見受けられるでしょう。

ブライドルレザー

「ブライドルレザー」は、イギリスで馬具用に製作されている高級皮革です。

ブライドルレザーの大きな特徴として、革に「ブルーム」と呼ばれる細かい白い粉があることが挙げられます。

使い込むとブルームがなじんで革に独特のツヤが表れ、しっとり落ち着いた風合いに変わるのが魅力です。

プエブロレザー

革の本場イタリアのなかでも、とくに革産業が盛んな地域がトスカーナ州といわれます。

「プエブロレザー」は、トスカーナ州の有名タンナーである「バダラッシ・カルロ社」が、バケッタ製法によって製造している革です。

毛羽立った表面で、最初は和紙のような独特な手触りですが、使い込んでいくうちに油分が表面に浮き出してスムーズな感触になります。

また、普通に使っているだけで濡れたような美しいツヤ感も出てくるので、経年変化を楽しみたい方に大変おすすめです。

クロコダイルレザー

ほかの革とは一線を画す独特な鱗の模様や、輝くツヤが特徴的な「クロコダイルレザー」は、エキゾチックレザーの王様ともいわれています。

クロコダイルレザーは牛革の約10倍もの耐久性があり、軽くてしなやかで使い心地も良いです。

使い込むほどに上品な光沢が出てきて、しっとりとした質感に変化していきます。

手になじみやすくなるだけでなく、見た目もマイルドに変化するため、美しい経年変化を楽しみたい方に向いているでしょう。

クロコダイルレザーのことをもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考になさってください。

ミネルバボックス

ナチュラルなカラーが特徴的な「ミネルバボックス」は、プエブロレザー同様、イタリア・トスカーナ州の「バダラッシ・カルロ社」がバケッタ製法で製作している革です。

ミネルバボックスには「シュリンク加工」という表面にシボを出すシワ加工が施されており、このシボによって、自然由来の豊かな風合いが楽しめます。

シボは一律に入っているわけでなく、部位による革質の差によって、入り具合や有無が異なり、一つの財布でも箇所によって、質感がまったく違う点が魅力です。

また、ミネルバボックスには100%ピュアな牛脚脂がたっぷり染み込まれているため、使い込むほどに薄かった色がどんどん飴色に変化し、ツヤも増していきます。

いわゆる「育てる革」の代表格といえるのが、このミネルバボックスだといえるでしょう。

松阪レザー

松阪レザーの原皮

「松阪牛」は、三重県松阪市を中心とした地域で飼育されている高級牛です。

松阪牛は食肉牛として生産されているだけでなく、その革も「松阪レザー」として活用されていることはご存知でしょうか。

しかも食肉同様、個体識別ナンバー(JPナンバー)を刻印して管理しています。

松阪牛の肉が美味しい理由として、とろけるうま味となる油分「不飽和脂肪酸」が多く含まれている点が挙げられますが、この油分は革にも含まれています。

そのため、体温や摩擦などが加わると表面に浮き上がり、輝くような光沢とやわらかさを生み出すのです。

ただし、従来の牛皮に比べると油分が多くてデリケートなため、なめしの作業が難しく、日本国内の限定された製革所でしか作ることができません。

また、革財布を製作する際も高度な技術が必要となり、熟練の職人が手作業で行うのが基本です。

松阪レザーの特徴を挙げるなら、経年変化によって大変美しい独特のツヤが生まれ、手触りがなめらかになるということに尽きるでしょう。

革には最初あまり光沢がありませんが、その表面が次第に輝きを放つようになる過程を存分に楽しめるといえます。

-まとめ-

経年変化(エイジング)は、使い込んでいくうちにツヤや独特の色を発する行程が楽しめるものです。

革財布なら、毎日触る小物という特性があるため、変化も顕著にわかりやすいですが、使われている革によってエイジングの特徴が異なります。

財布に使う革としては「牛革」を中心に「馬革」「鹿革」などがあり、それぞれ特徴のある経年変化が楽しめるでしょう。

また、経年変化が美しい革としてさまざまなものがありますが、とくに有名なのが、革産業が盛んなイタリア・トスカーナ州において、伝統的な「バケッタ製法」で作られている革の数々です。

さらに「コードバン」や「クロコダイルレザー」といった個性的な革や、イギリスの「ブライドルレザー」や日本の「松阪レザー」のような地域発祥の革も、美しい経年変化が楽しめます。

ぜひ、今回の記事を参考にして、自分好みの革が使われている財布を選んでみてください。

コードバンの商品一覧はこちらから

クロコダイルの商品一覧はこちらから

さとり(松阪レザー)の商品一覧はこちらから

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